大学編入:成績が底辺だけど大学進学したい Zくんの決断

高専あるある深海魚 Zくん

高専に入学したときは大学進学するつもりでいた。
国公立大学に編入学するのだと夢をふくらませていた。

しかし、実際に入ってみると、ライバルたちが強すぎて、成績上位など、とても狙えない。 
むしろ学年が進むほど、深海魚になってしまった。
(深海魚とは、長くに渡って成績が底の方にある状態を指します)

それでも、やはり大学進学をあきらめきれない。

・・・こうした学生も高専にはみられますね。
Zくんも、そんな一人でした。

 

編入はあきらめても進学はあきらめない選択

4年生まで、Zくんは状況を挽回しようと、高専の傍ら、大手の編入予備校に通ったりしました。しかし成績はふるわないままでした。

そしてZくんは、ある決断をします。

5年生になる前に、Zくんは高専に休学届を出しました。
高専生の立場を維持したまま、センター試験の準備をし、一般入試で大学に合格しようと考えたのです。

一般入試で入学すると、最短でも2浪と同じ年齢になります。高専時代の成績からして、あまり上位の大学も狙えないかもしれません。

それでも、Zくんはどうしても大卒の学歴がほしかったのでした。

 

深海魚の悩み 一般入試か、特攻か

Zくんのように高専からの大学編入をあきらめて、一般入試に切り替えるケースもたまに見られます。

Zくんの場合、もう少し決断が早くてもよかったかもしれません。ランクにこだわらなければ大卒の学歴は手に入るでしょう。
保護者側に余裕と理解があった点も恵まれていました。

別の学生の中には、専攻科の合格さえ難しい成績なのに、大学編入があきらめられず、無謀な受験に特攻するケースもみられます。しかし「下手な鉄砲も数打てば当たる」というわけには、なかなかいかないのが現実です。
この場合は全落ちすると、就職に切り替えようにも募集期間があらかた終わってしまっており、非常に不本意な進路になりがちです。

遅くとも4年生の終わりには、自分にとって一番大切なものは何か、保護者と一緒に深く考えておくべきでしょう。

 

Zくんのその後

センター試験の準備を始めたZくん。高専までの仲間たちと別れて、一人で別の道を歩むことになりました。

5年生になったクラス全員の就職と進学先が決まった頃、友人の一人がZくんに会いに行きました。

久しぶりに姿を現したZくん。半年あまりの間で、でっぷりした体つきになり、無精髭を生やし、まるで別人のようになっていたそうです。

勉強に熱心になりすぎて外出しなくなり運動不足になったのか、不摂生からかはわかりませんが・・・

一般入試に切り替える場合は、計画性と強い自律心が大事ですね。