専攻科 vs 研究生 その長所と短所、違いをくわしく!
もし、志望した大学の編入試験に合格できなかった場合、
・専攻科に進み、高専で更に2年を過ごした後、大学院進学を狙うか、
・研究生になって翌年の学部編入学試験を狙うか、
迷う方もいるかもしれません。
「専攻科」の長所と短所
専攻科のメリット
大学院からの進学を狙える
専攻科で成績をキープし、大学院受験に成功すれば、学部→大学院に進んだケースとさほど変わらない将来を迎えられるでしょう。
工学系では、大多数の学生が修士まで進んだ後に就職活動をします。そのとき主に使うのは大学院生という最終学歴です。
成績がよければ、一流大学の大学院も狙えます。
ときには、学歴ロンダリングだと見られて、引け目を感じることもあるかもしれません。しかし、理系就職においては、高専出身の経歴が有利に働くことはあっても、足を引っ張ることはまずないでしょう。
リスクが低い
万一、大学院進学を諦めたとしても、専攻科の学生として高専の就職ネットワークを利用できます。専攻科を卒業できれば、大卒の資格も取得できます。
専攻科のデメリット
選択が限られる
専攻科に進むと、大学院に進んだ後も、専攻科で選択した分野を継続して研究することになります。
学部で入学した場合、研究室を選ぶ時間が与えられますが、専攻科だと、高専時代の選択の延長で将来の分野が決まることになります。大学院入試で受験できる大学も、その研究分野に関わる大学に限られることになります。
研究生より時間が少ない
卒業まで2年間は高専に在籍し、学校に通い単位を取得しなくてはなりません。受験勉強に費やせる時間は、研究生より少なくなります。
「研究生」の長所と短所
研究生は高専を卒業し、なおかつ所属する研究室に籍を残せる制度です。
高専生の間では、事実上の「浪人生」ととらえられることが多いですね。
研究生のメリット
結果が早い
研究生を経て、次の年に受験に成功すれば、学部の3年生から大学に進学できます。専攻科のように、二年待って院から入る必要はありません。
選択の範囲が広い
多くの大学では3年生の間に研究室を選び、4年生から配属になります。学部からの編入ならば、大学内で自分の進みたい分野を選ぶ時間が与えられます。
研究生のデメリット
在籍するだけでも学費がかかる
研究生は専攻科生とちがって、単位取得がなく、大卒資格が得られることもありません。それでも、学費はかかります。
公開されている長岡高専の資料によると、
・入学料:25,100円
・学費:1ヶ月あたり12,700円(→年間152,400円)
とあります。
研究生になるにしても、学費は用意しておかないといけませんね。
仲間が少ない
一般的に、研究生の進路を選ぶ学生はわずかです。毎年0~5名程度の学校が多いですね。ネット上にも、同じ道を選ぶ人は、あまり見あたらず、励ましあえる仲間が少ないです。そうした環境で、翌年の編入学試験の合格を掴むには、強い精神力が必要です。
上位校を狙うには不利?!
あくまで当サイトの周囲からの情報ですが、
研究生を経た場合、いわゆる上位校の合格はむずかしくなると聞いたことがあります。
高専からの大学編入の場合、学力試験の結果だけでなく、過去の成績や経歴も合否に加味されます。それぞれの大学の方針も合否を左右します。
「学力」だけを問われるセンター入試組の浪人生とは違うということを考慮しておくべきでしょう。